前回に引き続き、今度は主催者として配慮すべきポイントを考えてみます。
「よし、飲み会を企画しよう！」そう思ったものの、いざ準備を始めると「どんなお店がいいかな？」「誰を誘うべき？」「どうすればみんなに楽しんでもらえるだろう？」と、悩むことはありませんか？
主催者として飲み会を成功させることは、参加者同士の親睦を深めるだけでなく、あなた自身の評価やリーダーシップを高める絶好の機会にもなり得ます。この記事では、参加者から「また行きたい！」と思われるような、価値ある飲み会を企画・運営するための7つの秘訣をご紹介します。
秘訣１：明確な「目的」と「テーマ」を設定する
まず大切なのは、「何のための飲み会なのか？」という目的を明確にすることです。
- 例：
- 新メンバーの歓迎会
- プロジェクト成功の打ち上げ
- 部門間の情報交換と連携強化
- 若手社員の育成と交流
- 特定のテーマ（例：業界の最新トレンド、新しいツールの活用法）に関する意見交換
目的が明確であれば、参加者も「何のために集まるのか」を理解しやすく、より積極的に関わろうという気持ちになります。漠然とした「親睦」だけでなく、プラスアルファの価値を提供できるようなテーマを設定すると、満足度も向上するでしょう。
秘訣２：参加者に配慮した「お店選び」と「日時設定」
お店選びと日時設定は、飲み会の成否を左右する重要なポイントです。
- お店選びのポイント：
- 参加者の属性と好みを考慮する: 年齢層、性別、役職、食の好み（アレルギー対応含む）などを考慮しましょう。
- アクセスの良さ: 会社の近くや主要駅の近くなど、参加者が集まりやすい場所を選びます。
- お店の雰囲気: 静かに話したいのか、賑やかに楽しみたいのか、目的に合った雰囲気のお店を選びましょう。個室の有無も重要です。
- 予算: 参加者の負担にならない適切な価格帯のお店を選びます。事前に会費を明示すると親切です。
- 料理の質と量: 参加者が満足できるクオリティとボリュームの料理を提供できるか確認しましょう。飲み放題のプランも検討の価値ありです。
- 日時設定のポイント：
- 参加者のスケジュールを考慮する: 繁忙期を避け、できるだけ多くの人が参加しやすい曜日や時間帯を選びましょう。事前に候補日をいくつか提示し、アンケートを取るのも有効です。
- 開催時間に配慮する: 開始時間が遅すぎたり、終了時間が長引いたりしないよう、参加者の翌日の業務に支障が出ない範囲で設定します。
秘訣３：魅力的な「参加者構成」と「招待の仕方」
誰を誘うか、そしてどのように誘うかも、飲み会の雰囲気を大きく左右します。
- 参加者構成のポイント：
- 多様性とバランスを意識する: 様々な部署や役職、年齢層の人が集まることで、新たな発見や刺激が生まれます。ただし、あまりにも共通項がなさすぎると会話が弾まない可能性もあるため、バランスが重要です。
- キーパーソンを巻き込む: 上司や他部署の有力者など、普段なかなか話せない人に参加してもらうことで、飲み会の価値が高まります。
- 招待の仕方のポイント：
- 早めに、かつ丁寧に案内する: 参加者が予定を調整できるよう、余裕を持って案内しましょう。メールだけでなく、直接声をかけるのも効果的です。
- 飲み会の目的や概要を明確に伝える: いつ、どこで、何のために開催するのか、会費はいくらかなどを分かりやすく伝えましょう。
- 出欠確認を確実に行う: 人数変更の連絡はお店に迷惑をかけるだけでなく、予算にも影響します。締切日を設け、確実に出欠を確認しましょう。
秘訣４：参加者全員が楽しめる「雰囲気作り」と「進行」
主催者は、当日の雰囲気作りとスムーズな進行にも気を配る必要があります。
- 雰囲気作りのポイント：
- 最初の挨拶と乾杯: 飲み会の目的や趣旨を改めて伝え、和やかな雰囲気でスタートできるよう、明るく元気に挨拶しましょう。
- 参加者同士のコミュニケーションを促す: 必要であれば、簡単な自己紹介の時間を設けたり、席替えを促したりするのも良いでしょう。孤立している人がいないか気を配り、話の輪に入れるようサポートします。
- 話題提供: 会話が途切れたり、ネガティブな話題になりそうになったりしたら、さりげなく新しい話題を提供するのも主催者の役割です。
- 進行のポイント：
- 時間管理を意識する: 開始時間や終了時間、料理の提供タイミングなどを把握し、スムーズに進行するようお店と連携しましょう。
- 会計をスムーズに行う: 会費の徴収方法やタイミングを事前に決めておき、参加者に負担をかけないようスマートに済ませましょう。
- 中締めと終わりの挨拶: 感謝の言葉と共に、予定時刻にきちんと締めくくることで、参加者も安心して帰路につけます。
秘訣５：「ハラスメント防止」への意識と配慮
誰もが安心して楽しめる場にするために、ハラスメント防止への意識は不可欠です。
- アルコールの強要は絶対にしない: 飲める量やペースは人それぞれです。ソフトドリンクの選択肢も用意し、飲めない人への配慮を忘れないようにしましょう。
- 不適切な言動を諌める勇気を持つ: 万が一、ハラスメントと受け取られかねない言動があった場合は、主催者として毅然とした態度で注意することも必要です。
- 参加者全員が快適に過ごせるよう気を配る: 特定の人だけが盛り上がり、他の人が疎外感を覚えるような状況にならないよう、全体に目を配りましょう。
秘訣６：コストパフォーマンスと「参加して良かった」と思える価値提供
参加費に見合う、あるいはそれ以上の価値を提供できたかどうかも、満足度を左右します。
- 無理のない会費設定: 参加者の懐事情を考慮し、納得感のある会費を設定しましょう。
- 料理や飲み物の質: あまりに質素すぎると不満が出ますし、逆に高すぎても負担になります。バランスが重要です。
- プラスアルファの体験: 例えば、普段なかなか食べられない珍しい料理が出る、有益な情報交換ができた、素敵な出会いがあったなど、「参加して良かった」と思える何かがあれば、満足度は格段に上がります。
秘訣７：終了後の「フォローアップ」と「次への繋がり」
飲み会は、終わったらそれで終わりではありません。
- 参加者へのお礼: 後日、参加してくれたことへの感謝の気持ちを伝えましょう。メールやチャットなどで一言添えるだけでも印象は大きく変わります。
- 反省点を次に活かす: 参加者からのフィードバック（良かった点、改善点など）があれば、真摯に受け止め、次回の企画に活かしましょう。
- 関係性の継続: 飲み会で生まれた繋がりを大切にし、今後の仕事やコミュニケーションに繋げていく意識を持つと、より有意義なものになります。
最後に：主催は「おもてなしの心」
「また行きたい」と思われる飲み会を主催するための秘訣は、突き詰めれば「参加者へのおもてなしの心」に行き着くのかもしれません。参加者一人ひとりが「楽しかった」「有意義だった」と感じられるよう、細やかな配慮と準備を重ねることが、成功への一番の近道です。
この記事が、あなたの飲み会企画の一助となり、素晴らしいコミュニケーションの場が生まれることを願っています。
