お盆出勤で気づいた、会社の「もう一つの顔」。働く場所の本当の価値とは?

暦の上ではお盆の真っ只中。故郷への帰省ラッシュや、海外で休暇を過ごす人々のニュースが流れる中、私は出勤。

正直に言えば、「みんなが休んでいる時に働くなんて…」と、少しだけ憂鬱な気持ちがなかったわけではありません。しかし、今日この場所に来たからこそ見えた光景が、私に会社の「もう一つの顔」を教えてくれました。

いつもの廊下を歩いていると、一番大きな大会議室に、煌々と明かりが灯っています。中を覗くと、そこにいるのは社員ではなく、活気に満ちた学生さんたち。どうやら、学生向けワークショップが開かれているようです。

この光景を眺めながら、私は思いました。お盆や正月といった特別な日に出勤するからこそ、普段の喧騒の中では見過ごしてしまう、会社の「仕事以外の側面」が見えてくるのだ、と。

今日は、そんな会社の「もう一つの顔」についてお話ししたいと思います。

1. 会社の「未来への投資」と「社会への眼差し」

大会議室で行われている社外向けイベント。これは、短期的な売上や利益に直結する活動ではありません。しかし、これこそが会社の未来への投資であり、社会貢献への姿勢そのものです。

普段、私たちは目の前の「業務」に追われ、会社が社会の中でどのような役割を果たそうとしているのか、どんな未来を描いているのかを忘れがちです。しかし、皆が休み、オフィスが静まり返った中で行われるこうした活動は、「この会社は、単にお金を稼ぐためだけの組織ではない」という事実を雄弁に物語っています。

次世代を担う若者に学びの場を提供し、業界全体を盛り上げていこうとする姿勢。これこそが、社員が誇りを持ち、社会から「良い会社だ」と認められるための、無形資産なのです。

2. 「当たり前」を支えてくれる人々への感謝

シーンと静まり返ったオフィス。しかし、本当に誰もいないわけではありません。

出勤すれば、「おはようございます」といつもと変わらぬ笑顔で迎えてくれる警備員さん。誰もいないはずの廊下やトイレが、なぜかいつも通り清潔に保たれているのは、早朝から清掃員の方々が汗を流してくれたから。そして、このパソコンが問題なく動き、社内システムにアクセスできるのは、休日もサーバーの監視やメンテナンスをしてくれている情報システム部の誰か、あるいは協力会社の方のおかげです。街に出れば、空いているお店も多くランチには困りません。

普段の業務時間中は、その存在を意識することさえ少ないかもしれません。しかし、人がいないからこそ、私たちの「働く環境」という当たり前が、多くの人々の目に見えない仕事によって支えられていることに、改めて気づかされます。会社は、社員だけで成り立っているのではない。この場所に関わる全ての人々によって成り立つ「共同体」なのだと、感謝の念が自然と湧き上がってきます。

3. 静寂の中で見えてくる、会社の「素顔」と「自分との対話」

電話も鳴らず、誰かから話しかけられることもない。この「静寂」は、普段はできない深い思考を促してくれます。

ふと、普段は忙しくて気にも留めないオフィス内の資料や書籍を開いてみると、参考になったり。

同時に、自分自身のキャリアについても、ゆっくりと考える時間が生まれます。「自分はこの会社で何を成し遂げたいのか」。日々のタスクに追われる中ではできなかった自己との対話が、会社の空間に触れることで、より深まっていくのです。

4. 休日出勤仲間との、ささやかな「連帯感」

フロアの向こうの島にも、ポツンと明かりが灯っている。同じように休日出勤している同僚です。

普段なら業務連絡くらいしか交わさない相手でも、こんな日は「お疲れ様です」の一言が、いつもより温かく感じられます。

そこには、利害関係や役職を超えた、「戦友」とでも言うべき不思議な連帯感が生まれます。これもまた、会社という場所が育む、人間関係の豊かさの一面です。

まとめ:あなたの会社も、きっと。

お盆や正月の出勤は、決して楽しいことばかりではないかもしれません。しかし、視点を少し変えるだけで、それは会社の多面的な姿を発見できる、またとない貴重な機会となります。

会社は、ただ給料をもらうためだけの「作業場所」ではありません。未来を創るための投資をし、多くの人に支えられ、歴史と理念という魂を持ち、そして、人と人との繋がりが生まれる「生きた共同体」です。

もし、休む日に働く機会があったなら、少しだけ周りを見渡してみてください。きっと、あなたの会社がもっと好きになるような、新しい発見が待っているはずです。

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