「あの資料、どこだっけ…」「この設定、誰がやったんだっけ…」
あなたのチームでは、こんな会話が日常になっていませんか?
そのたびに仕事が止まり、誰かの時間を奪っていく。わかっちゃいるけど、忙しくて記録なんて残せない…。
そう、文書化が大事なのは、全員が知っています。
でも、それができないのは、決してあなたのやる気がないからではありません。
実は、文書化が後回しにされるのには、人間の「サボり癖」や「組織の仕組み」といった、手ごわいボスキャラたちがいるんです。
この記事では、難しい理論は横に置いておいて、そんなボスキャラたちを攻略し、「無理なく」「自然に」記録が残っていくチームを作るための、3つの小さな習慣をご紹介します。
習慣1:「完璧な100点」より「走り書きの30点」を目指す
文書化が続かない一番の原因は、「ちゃんと書かなきゃ」というプレッシャーです。でも、誰も読んでくれない完璧な資料より、必要な情報が走り書きでも残っている方が100倍マシだと思いませんか?
▼ 今すぐできるアクション
- 議事録は箇条書きでOKにする: きれいな文章は不要。「誰が」「何を」「いつまでに」やるか(TODO)だけを共有しましょう。会議が終わる前に画面共有しながら書けば、その場で全員の合意も取れて一石二鳥です。
- 「脳内メモ」をSlackに垂れ流す: 「〇〇の件、A案で進めます」「この設定は△△が理由です」など、あなたが考えたこと、決めたことを、関係者が見えるチャンネルに一言でいいので投稿するクセをつけましょう。これだけで、未来の「あれ、どうしてこうなったんだっけ?」が劇的に減ります。
ポイント: 目的は「美しい文書」を作ることではありません。「未来の自分が迷わないための、道しるべ」を置くことが目的です。
習慣2:「未来の自分」を助けるための「タイムカプセル」を作る
「今は覚えてるから大丈夫」は、最も危険な思い込みです。1ヶ月後のあなたは、今のあなたとは別人。今日の記憶はほとんど残っていません。
そこで、未来の自分が「ありがとう!」と言ってくれるような、小さなタイムカプセルを埋めてみましょう。
▼ 今すぐできるアクション
- 「なぜ?」を一言だけ残す: コードを書いたとき、設定を変更したとき、デザインを決めたとき。その作業のコメント欄や説明欄に、「なぜ」そうしたのか理由を一言だけ書きましょう。
- (例)
// パフォーマンス改善のため、一時的にこの処理を追加 - (例)
※クライアントの強い要望で、あえてこのボタンを目立たせています
この一言が、半年後のあなたや後任者を救います。
- (例)
- 「〇〇さんへ」と名指しで書く: 文書を書くとき、「誰に」読んでほしいかを具体的にイメージすると、書くべき内容が驚くほど明確になります。「来月入社する〇〇さんが、これだけ読めば作業できるように」と考えて書くだけで、独りよがりな文書がなくなります。
ポイント: 壮大なマニュアルは不要です。未来の誰か(多くは自分自身)からの「これって何だっけ?」という質問に、先回りして答えてあげる感覚で記録を残しましょう。
習慣3:「すごいマニュアル」より「育てるWiki」をみんなで使う
文書化を一個人に押し付けると、必ず破綻します。そうではなく、チーム全員が少しずつ情報を書き込める「場所」を用意し、みんなで育てていくのが成功の秘訣です。
▼ 今すぐできるアクション
- 「質問されたら、Wikiに書く」をルールにする: チーム内で誰かが質問をしたら、答える側は口頭やDMで答えるだけでなく、そのQ&AをチームのWiki(Notion、Confluenceなど)に追記してから、「ここに書いておいたよ!」とURLを共有するルールにしましょう。
- メリット1: 同じ質問が繰り返されなくなる。
- メリット2: 質問することが、チームの知識を増やす「貢献」になる。
- メリット3: 自然とドキュメントが最新の状態に保たれる。
- 感謝を伝える:「この記事、助かりました!」
誰かが書いてくれた文書を見て助かったら、「いいね!」ボタンを押したり、「この記事のおかげで解決しました、ありがとう!」とコメントしたりしましょう。自分の書いたものが誰かの役に立ったと実感できると、「また書こう」というモチベーションにつながります。ポジティブなフィードバックが、文書化の文化を育てます。
ポイント: 文書は「完成したら終わり」ではありません。チームの成長とともに、みんなで追記・修正していく「生き物」です。
まとめ:ヒーローはいらない。小さな一歩を踏み出す仲間を増やそう。
文書化の問題を一人で解決しようとするスーパーマンは必要ありません。
- まずは30点でOKと割り切る。
- 未来の自分に手紙を書くつもりで「なぜ?」を残す。
- 質問されたら、みんなの場所に答えを書く。
今日から始められる、本当に小さな習慣です。
でも、この一歩をチームの数人が始めるだけで、半年後、一年後の働きやすさは劇的に変わります。
さあ、まずはSlackにあなたの「脳内メモ」を投稿するところから、始めてみませんか?
