なぜ、人は「上」を目指すのか?- 会社で昇進することの意味と、その先にあるもの

会社で働いていると、誰もが一度は「もっと上に行きたい」と考えたことがあるかもしれません。あるいは、同期が昇進していく姿を見て、少し焦りを感じることもあるでしょう。

「上に行く」とは、単に役職が上がることなのでしょうか。そして、なぜ私たちはそこを目指そうとするのでしょうか。

この記事では、会社で「上に行く」ということの本質と、そのための具体的なステップ、そして人が上を目指す根源的な理由について、少し落ち着いて考えてみたいと思います。


目次

1. そもそも、会社で「上に行く」とはどういうことか?

「上に行く」と聞くと、多くの人は「課長」や「部長」といった役職名を思い浮かべるかもしれません。もちろんそれは間違いではありませんが、本質はもう少し広い意味を持っています。

会社で上に行くとは、「会社への貢献度を高め、それに伴ってより大きな『責任』と『権限』、そして『報酬』を得ていくプロセス」と言えるでしょう。

具体的には、以下のような要素が含まれます。

  • 役職・地位の向上: 組織の階層を上がること。
  • 権限・裁量権の拡大: 自分の判断で動かせる人やお金が増えること。
  • 責任範囲の拡大: 個人からチーム、そして組織全体の成果に責任を負うこと。
  • 影響力の増大: 自分の意見が会社の意思決定に影響を与えるようになること。

つまり、見える「地位」だけでなく、見えにくい「責任」や「影響力」といった側面も含む、総合的な成長の証なのです。


2. では、人はなぜ「上」を目指すのか?

この問いの答えは、一つではありません。人の動機は、外から与えられる「外的要因」と、内から湧き出る「内的要因」の2つに分けて考えると、とても分かりやすくなります。

【外的要因】目に見える報酬や地位

こちらは、比較的イメージしやすい動機です。

  • ① 経済的な豊かさ(報酬): 昇進に伴う給与アップは、生活水準の向上や家族を支える基盤となります。これは非常に現実的でパワフルな動機です。
  • ② 社会的な評価(ステータス): 「部長」といった肩書は、一つの社会的な信用の証です。周囲から認められたい、尊敬されたいという「承認欲求」が満たされます。

【内的要因】内面から湧き出る満足感

一方で、人の心を本当に動かすのは、こちらの内的な欲求かもしれません。

  • ③ 自己成長の実感(成長欲求): より難しい仕事に挑戦し、昨日できなかったことができるようになる。この成長の実感こそが、仕事の醍醐味だと感じる人は多いでしょう。
  • ④ 影響力と自己決定(コントロール欲求): 自分のアイデアでチームや組織を動かし、より良い方向に変えていきたい。自分の裁量で物事を進めたいという思いも、上を目指す大きな力になります。
  • ⑤ 貢献と存在意義(貢献意欲): より大きな責任を負うことで、会社や社会に貢献したい。仕事を通じて「自分は価値ある存在だ」と確認したいという、根源的な欲求です。

このように、人は「お金や地位」だけでなく、「成長したい」「影響力を持ちたい」「貢献したい」といった内なる声に突き動かされて、上を目指すのです。


3. 「上に行く」ために、私たちができること

では、実際に上を目指すためには、何をすれば良いのでしょうか。魔法のような近道はありませんが、確実なステップは存在します。それは「実力」と「信頼」という2つの車輪を、バランス良く回していくことです。

Step 1:圧倒的な成果で「実力」を示す(土台づくり)

  • 期待を超える: まずは、目の前の仕事で「あの人に任せれば大丈夫」という評価を得ること。100点ではなく、常に120点を目指す意識がすべての始まりです。
  • 当事者意識を持つ: 仕事を「自分ごと」として捉え、問題があれば自ら解決策を考え、動く姿勢が評価されます。

Step 2:周囲を巻き込み「信頼」を築く(関係づくり)

  • 報連相の徹底: 上司や同僚との密な情報共有は、信頼の基本です。特に「悪い情報ほど早く」伝える勇気を持ちましょう。
  • 他者を助ける(Giveの精神): 困っている人を助けることで、あなたの周りには自然と協力者が集まります。信頼は「与える」ことから生まれます。

Step 3:一つ上の視座を持つ(視野の拡大)

  • 上司の視点で考える: 「もし自分が課長だったらどう判断するか?」と考えてみましょう。この視座の高さが、あなたの提案の質を変え、次のステージへと引き上げてくれます。
  • 会社の目標を理解する: 自分の仕事が、会社のどの目標に繋がっているのかを意識することで、仕事の意義が深まり、より的確な行動が取れるようになります。

Step 4:挑戦し、チャンスを掴む(未来づくり)

  • 困難な仕事に手を挙げる: 誰もが避けるような仕事にこそ、大きな成長のチャンスが眠っています。失敗を恐れずに挑戦する姿勢が、あなたをその他大勢から一歩抜きん出させます。

おわりに

会社で「上に行く」ということは、単なる出世競争ではありません。それは、自分自身の成長を追求し、より大きな責任と権限を持って組織や社会に貢献していく、一つの生き方です。

もちろん、誰もが同じ道を目指す必要はありません。専門性を極める道や、ワークライフバランスを大切にする道も、同じように尊い選択です。

大切なのは、自分が「なぜ働いているのか」「仕事を通じて何を得たいのか」を深く見つめること。もしその答えの先に「上に行く」という選択肢があるのなら、この記事がその一歩を踏み出すための、小さなヒントになれば幸いです。

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