賃貸トラブルの現場で、大家さんがよく使いがちな「最悪の一手(悪手)」があります。
それが「普通借家契約から『定期借家契約』への切り替え提案」です。
一見すると、「契約更新の手続き」のように見えますが、実はこれ、借主さんにとっては「死の宣告」に等しい危険な罠なのです。
大家さんの本音(心の声)
「立ち退き料なんて払いたくない!
そうだ、今の契約(更新できる強い権利)を捨てさせて、『2年で絶対に出て行かないといけない契約(定期借家契約)』にサインさせれば、タダで追い出せるじゃないか!
しめしめ…」
借主さんへの警告:絶対にサインしてはいけません!
もし大家さんから、
「次の更新からはこの新しい契約書(定期借家契約)にサインしてね。形式的なものだから」
と言われても、絶対にハンコを押してはいけません。
その瞬間、あなたの「立ち退き料をもらう権利」も「住み続ける権利」も全て消滅します。
2年後には問答無用で追い出され、泣き寝入りすることになります。
大家さんへの警告:それは逆効果です!
この手口は、知識のある借主さん(や弁護士)にはすぐに見抜かれます。
そして、見抜かれた瞬間にこう思われます。
「あ、この大家は私を騙してタダで追い出そうとしているな。信用できない」
一度失った信用は戻りません。
結果として、借主さんは警戒心を強め、交渉は決裂し、かえって立ち退き料が高騰する原因になります。
小細工を労するよりも、最初から誠実に「立ち退き料を払うのでお願いします」と交渉した方が、結果的に安く早く解決できるのです。
【まとめ】
- 借主さんへ: 「定期借家契約」という文字が見えたら、即座に拒否! 今の契約のままでいれば無敵です。
- 大家さんへ: 騙し討ちのような切り替え提案は悪手です。急がば回れ、誠実な交渉こそが近道ですよ。