本日、2025年7月20日は参議院議員通常選挙の投票日です。「選挙に行っても何も変わらない」「誰に投票すればいいかわからない」。そう感じている40代以下の、特に若い世代の皆さんへ。この記事は、なぜあなたの一票が重要なのか、そして、未来のためにどんな視点で投票先を選べば良いのかを、専門家も納得する視点から解説します。
なぜ、あなたの投票が必要なのか？「シルバー民主主義」の現実
現在の日本は、少子高齢化を背景に、人口構成で多数を占める高齢者の意見が政治に強く反映されやすい「シルバー民主主義」と呼ばれる状況にあります。実際に、国政選挙における年代別の投票率を見ると、60代が70%を超える一方で、20代は30%台に留まるなど、世代間で大きな差が生まれています。
政治家は、当然ながら投票してくれる有権者のための政策を優先します。若者の投票率が低いままでは、年金や医療といった高齢者世代向けの政策に予算や関心が集中し、子育て支援、教育、奨学金制度、雇用問題、気候変動対策といった、若い世代の未来に直結する課題が後回しにされがちになります。
あなたの一票は、単なる一票ではありません。それは「私たちの世代の課題にもっと目を向けてほしい」という明確な意思表示であり、政治の優先順位を変える力を持つのです。若者の投票率が上がれば、政治家は若い世代を無視できなくなり、若者向けの政策を真剣に考え、実行せざるを得なくなります。
【若者のための投票先選び方ガイド】3つのステップで考える
「でも、どうやって選べばいいの？」という声が聞こえてきそうです。もちろん、完璧な政党や候補者を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、以下の3つのステップで考えれば、自分にとって「より良い」選択が見えてくるはずです。
ステップ1：自分の「未来への願い」を明確にする
まず、政治や社会に対する難しい言葉は一旦忘れ、自分がどんな未来を望んでいるかを考えてみましょう。
- 経済・働き方：給料が上がり、将来のお金の不安なく暮らしたいか？ 安定した雇用環境で働きたいか？ 物価高騰への対策を求めるか？
- 子育て・教育：将来、安心して子どもを産み育てられる社会を望むか？ 高い学費を気にせず学べる環境が必要か？
- ライフスタイル・多様性：多様な家族の形（選択的夫婦別姓など）が認められる社会が良いか？ ジェンダーによる格差がない社会を望むか？
- 長期的な課題：将来の世代に豊かな自然環境を残したいか？ 持続可能な年金制度を求めるか？
ステップ2：各政党・候補者の「答え」を比べる
自分の願いが明確になったら、それに対して各政党や候補者がどんな「答え（＝公約）」を用意しているか比べてみましょう。情報収集には、以下のようなツールが役立ちます。
- 選挙公報：自宅に届く、全候補者の経歴や基本的な政策が一覧できる最も手軽な情報源です。
- 各政党のウェブサイト・SNS：各党が最も力を入れている政策や理念がわかります。候補者個人のSNSは、人柄や考えに直接触れる良い機会になります。
- ニュースサイト・特集記事：新聞社やネットメディアが、選挙の争点を分かりやすく解説しています。
- ボートマッチ（投票マッチングサイト）：いくつかの質問に答えるだけで、自分の考えに近い政党や候補者を診断してくれる便利なウェブサービスです。ぜひ「ボートマッチ 参院選」で検索してみてください。
ステップ3：「実現可能性」と「一貫性」で判断する
魅力的な公約でも、その実現性がなければ意味がありません。
- 財源は示されているか？：「やります」と言うだけでなく、「そのお金をどこから持ってくるのか」を説明しているかチェックしましょう。
- その場しのぎの公約ではないか？：これまでの一貫した主張や行動と、今回の公約に矛盾がないかを見てみましょう。
すべての政策に100%賛成できる候補者はいないかもしれません。その場合は、自分が最も重要だと思う課題で判断する、「これだけは譲れない」という視点で選ぶ、あるいは「最も避けるべき政策」を掲げる候補者以外に投票する、というのも賢明な判断です。
投票は、未来への投資。諦める前に、まず一歩を。
「どうせ変わらない」という諦めは、現状を肯定し、望まない未来を静かに受け入れることと同じです。しかし、私たちが直面する社会保障の持続可能性、経済格差、気候変動といった課題は、待ったなしの状況です。
今日の投票は、数年後、数十年後のあなたの生活、そして次の世代が生きていく社会の姿を決める、最も直接的でパワフルな「未来への投資」です。
投票所の滞在時間は、ほんの数分です。その数分のアクションが、日本の未来を変える大きなうねりの第一歩となります。ぜひ、友人や家族も誘って投票所に足を運んでください。そして、あなたたちの世代の声が、この国の政治を動かす力になることを示しましょう。
