「なんで、みんな思うように動いてくれないんだろう…」
「自分の考えが、うまくチームに伝わらない…」
リーダーとして、そんな悩みを抱えていませんか?
その悩みの根源は、あなたの「言語化力」にあるかもしれません。優れたリーダーは、例外なく優れた「言葉」を持っています。彼らは言葉を使ってビジョンを示し、人を動かし、チームを成功に導きます。
この記事では、「言語化」を武器にリーダーシップを劇的に向上させるための、具体的で実践的な3つのステップをご紹介します。難しい理論は必要ありません。明日からあなたの仕事場で試せるアクションプランです。
なぜ「言語化」がリーダーの最強の武器なのか?
まず、なぜ言語化が重要なのか?理由は3つです。
- 「地図」になるから:曖昧な思いつきは、言葉にして初めて「目標」という明確な目的地になります。リーダーの言葉が、チームが進むべき道を示す地図そのものになるのです。
- 「エンジン」になるから:「なぜこの仕事が必要か」という背景や意図が言葉で伝わると、メンバーの心に火がつき、納得感を持って主体的に動き始めます。「やらされ仕事」が「自分ごと」に変わる瞬間です。
- 「信頼」の土台だから:考えていることを率直に、配慮をもって言葉にできるリーダーは、透明性があり信頼されます。「何を考えているかわからない人」に、誰もついていきたいとは思いませんよね。
つまり、言語化とは「思考を整理し、他者と共有し、現実を動かす力」。これこそリーダーシップの本質です。
では、具体的にどうすれば言語化力を高められるのでしょうか?その答えが、次の3つのステップです。
ステップ1:言葉を「定義する」 ― Why(なぜ)を語り、方向性を示す
チームが同じ方向を向くためには、「我々は何者で、どこへ向かうのか」をリーダー自身の言葉で定義し、語り続ける必要があります。これが全ての土台です。
アクションプラン:3つの「Why」を言語化しよう
次の3つの問いに、あなた自身の言葉で答えを書き出してみてください。完璧でなくて構いません。まずは言葉にしてみることが重要です。
- 【チームのWhy】我々のチームの「存在意義」は何か?
- NG例:「売上目標を達成するため」
- OK例:「お客様が『これなしの生活は考えられない』と感じるほどの体験を創り出すため」
- ポイント:単なる数字目標の先にある、社会や顧客への貢献を定義します。
- 【あなたのWhy】あなた(リーダー)が「大切にする価値観」は何か?
- 例:「私は、100点の計画より、60点でもまずやってみるスピード感を大事にしたい」「どんな時も、正直であることを最優先する」
- ポイント:あなたの判断基準を明かすことで、メンバーはあなたの行動を予測でき、安心してついてこれます。
- 【メンバーのWhy】メンバーに「期待する役割と成長」は何か?
- NG例:「このプロジェクト、頑張ってね」
- OK例:「このプロジェクトで、〇〇さんには特にデータ分析のスキルを伸ばしてほしい。1年後にはチームの分析の第一人者になっていることを期待しているよ」
- ポイント:仕事と個人の成長を結びつけることで、モチベーションの源泉に火をつけます。
これらの「定義」は、1on1やチームミーティングの冒頭で、繰り返し語りましょう。リーダーの言葉が、チームの北極星になります。
ステップ2:言葉を「分解する」 ― What/How(何を/どう)を伝え、実行を促す
チームの方向性(Why)が定まったら、次に行動(What/How)を具体的に促すための言語化が必要です。ここでは、複雑なことを分かりやすく「分解する」力が求められます。
アクションプラン:2つの「分解」を実践しよう
日々の業務指示や会議で、この2つのフレームワークを意識してみてください。
- 指示を「背景・目的・成果物」に分解する
- 「とりあえず、やっといて」を卒業しましょう。仕事を依頼するときは、必ずこの3点セットで伝えます。
- 例:「(背景)来週の経営会議で、我々のプロジェクトの重要性を説明する必要があるんだ。(目的)そのために、プロジェクトの進捗と成果を1枚で示す資料がほしい。(成果物)A4一枚で、グラフを主体にしたサマリーを作ってくれるかな?」
- 効果:メンバーは作業の意図を理解し、より質の高いアウトプットを出せるようになります。
- フィードバックを「事実・影響・提案」に分解する
- 「よかったよ」「ダメだったね」では人は育ちません。メンバーの成長を促すフィードバックを行いましょう。
- 例:「(事実)先日のプレゼンで、A社の事例を引用していたね。(影響)あの具体例のおかげで、クライアントは我々の提案の価値を深く理解してくれたよ。素晴らしかった。(提案)もし次回さらに良くするなら、結論を冒頭に話す構成にすると、聞き手はもっと全体像を掴みやすくなると思う」
- 効果:相手を尊重しながら、具体的で次に繋がる改善点を伝えられ、信頼関係が深まります。
ステップ3:言葉を「共有する」 ― 学びをチームの資産に変える
リーダーの最後の重要な役割は、起きた事象から「学び」を抽出し、チーム全体の資産として共有することです。成功も失敗も、言語化して初めて「再現性のあるノウハウ」や「貴重な教訓」に変わります。
アクションプラン:2つの「振り返り」を習慣にしよう
プロジェクトの節目や週の終わりに、チームで振り返りの場を設けましょう。その際のファシリテーションがリーダーの腕の見せ所です。
- 成功の「要因」を共有する
- 「うまくいってよかったね、次も頑張ろう!」で終わらせず、成功の理由を具体的に言語化します。
- 問いかけ例:「今回の成功の最大の要因は何だったと思う?」「誰のどんな行動が、この結果に繋がったかな?」「この成功パターンを、他の仕事にも活かせるとしたら、どういう形になるだろう?」
- 効果:成功が単なるラッキーパンチではなく、再現性のある「勝ちパターン」になります。
- 失敗の「学び」を共有する(リーダーから)
- 失敗を個人の責任で終わらせず、チームの学びへと昇華させましょう。特に、リーダー自身の失敗をオープンに語ることが鍵です。
- リーダーの言葉の例:「今回の目標未達の責任は、初期の見積もりが甘かった私にある。申し訳ない。ここから学べるのは、〇〇というリスクを考慮に入れるべきだったということだ。次は必ず対策しよう」
- 効果:リーダーが率先して失敗を語ることで、チームに「挑戦しても大丈夫」という心理的安全性が生まれます。これが、イノベーションの土壌です。
まとめ:言語化は、リーダーシップを磨く「実践」そのもの
ステップ やること リーダーシップへの効果
Step 1: 定義する Why(なぜ)を語る 方向性を示し、求心力を生む
Step 2: 分解する What/How(何を/どう)を伝える 実行力を高め、人材を育成する
Step 3: 共有する 学びをチームの資産にする 再現性を高め、挑戦する文化を創る
「言語化力を高めてから、リーダーシップを発揮しよう」ではありません。
言語化しようと努力するプロセスそのものが、あなたをリーダーへと成長させてくれるのです。
まずはこの記事で紹介したアクションプランの中から、一つでも構いません。明日の1on1で、会議で、早速試してみてください。
あなたの言葉が変われば、メンバーの表情が変わります。チームの空気が変わります。そして、生み出される成果が変わります。
その変化を、ぜひ楽しんでください。応援しています!