嫌なことがあっても「少しプラス」でいい。インデックス投資に学ぶ、心地よい人生の作り方

毎日が絶好調!100点満点!
…なんてことは、なかなかありませんよね。

仕事で小さなミスをしたり、人間関係でモヤっとしたり、楽しみにしていた予定がなくなったり。私たちの日常は、そんな小さな「マイナス」で溢れています。

でも、そんな日でも、夜に美味しいものを食べたり、好きな音楽を聴いたり、家族と笑い合ったりして、「まあ、全体としては悪くなかったかな。少しだけプラスだったかも」と思えたら。

実は、そんな「ちょっとだけプラス」を目指す生き方こそが、最も豊かで、持続可能なのかもしれません。

そしてこの考え方、不思議なことに、資産形成の王道と言われる「インデックス投資」の哲学と、驚くほどよく似ているんです。

今日は、インデックス投資のリターンという少し変わった切り口から、「人生のリターン」について考えてみたいと思います。きっと、あなたの心を少し軽くするヒントが見つかるはずです。

目次

そもそも「インデックス投資」って何?

まず、インデックス投資を簡単にご説明しますね。

これは、「日経平均株価」やアメリカの「S&P500」といった市場全体の平均点(インデックス)を目指す投資手法です。

例えるなら、「ものすごく美味しい一品料理」を狙うのではなく、「幕の内弁当のように、そこそこ美味しいおかずが色々入っていて、全体として満足できる」ものを買うイメージです。

個別の企業の株を買って「一発当てる!」という派手さはありません。その代わり、世界経済の成長に合わせて、長期的には年利数%というリターンを着実に積み上げていくことを目指します。

この「平均点でOK」「長期で着実に」という思想が、私たちの人生に多くの示唆を与えてくれます。

インデックス投資から学ぶ「人生を少しプラスにする」3つのヒント

1. 「100点満点」ではなく「市場平均(=今日の平均点)」を目指す

インデックス投資は、市場で最も輝くスター銘柄を探すゲームではありません。市場全体をまるごと買うことで、「平均点」を確実に取る戦略です。

これを人生に置き換えてみましょう。
SNSを開けば、きらびやかな成功体験や完璧なライフスタイルが目に飛び込んできます。私たちは無意識のうちに、人生においても「100点満点」や「常に最高の自分」を追い求めてしまいがちです。

でも、現実はどうでしょうか?
良いこともあれば、悪いこともある。それが普通です。

インデックス投資のように、「今日の人生の平均点」が少しでもプラスなら、それで十分と考えてみませんか?

  • 仕事で叱られた(-10点)
  • でも、同僚が優しくフォローしてくれた(+5点)
  • 帰りの電車が遅延した(-5点)
  • でも、お風呂でゆっくりリラックスできた(+15点)

合計:+5点

こんな風に、一つ一つの出来事に一喜一憂しすぎず、一日の終わりに「トータルで、まあプラスかな」と思えれば、それは素晴らしい一日です。100点満点の日なんて、年に数回あればラッキー。私たちは「平均点の少し上」で、十分に幸せになれるのです。

2. ドカンと一発より「長期・積立・分散」

インデックス投資の基本は「長期・積立・分散」です。

  • 長期:目先の価格変動に惑わされず、10年、20年という単位で持ち続ける。
  • 積立:毎月コツコツと、決まった額を買い続ける。
  • 分散:一つの国や企業に集中せず、多くの資産に広く投資する。

これは、そのまま「心地よい人生」の設計図になります。

  • 人生の「長期」視点:
    一つの失敗や挫折で「もう終わりだ」と悲観しないこと。人生という長い時間軸で見れば、それは小さな調整局面に過ぎません。大切なのは、諦めずに歩み続けることです。
  • 人生の「積立」習慣:
    大きな成功体験を狙うより、日々の小さな良い習慣を「積み立てる」こと。一日10分の読書、週2回の運動、家族への「ありがとう」の一言。これらが複利のように効いてきて、数年後には大きな「人生の資産」になっています。
  • 人生の「分散」ポートフォリオ:
    「仕事だけ」「恋愛だけ」といった一つのことに、自分の価値や幸せのすべてを賭けていませんか?それはリスクの高い集中投資と同じです。
    仕事、趣味、友人、家族、健康、学び。
    人生のポートフォリオを豊かに分散させておけば、どこか一つが不調になっても、他の分野があなたを支えてくれます。これが精神的な安定、つまり「暴落耐性」につながるのです。

3. 暴落(嫌なこと)は必ず来る。でも、市場(人生)は成長し続ける

投資の世界では、リーマンショックやコロナショックのような「暴落」が定期的に起こります。しかし、歴史を見れば、世界経済はそれらの危機を乗り越え、長期的には右肩上がりに成長を続けてきました。

私たちの人生も同じです。
失恋、病気、失業、大切な人との別れ…人生には、心をへし折られるような「暴落」が必ず訪れます。

そんな時、インデックス投資家が取るべき行動は「何もしない(むしろ買い増す)」ことです。パニックになってすべてを投げ出してしまう(狼狽売りする)のが最悪の選択。

人生の危機においても、この哲学は光を放ちます。
辛い出来事があったとき、無理に何かをしようとせず、ただ嵐が過ぎ去るのを待つ。そして、「この経験もいつか自分の糧になる」と信じて、日々のやるべきことを淡々とこなす。

世界経済が人々の営みによって成長し続けるように、あなた自身の人生も、学び、経験し、立ち直る力によって、長期的には必ず成長していきます。 そのポテンシャルを信じることが、何よりの力になるのです。

まとめ:完璧じゃない、でも着実に。それが心地よい。

インデックス投資が多くの人々に支持されるのは、それが「再現性が高く、誰にでもできる、現実的な資産形成法」だからです。

そして、私たちが目指すべき人生も、もしかしたらそうなのかもしれません。

  • 毎日100点満点じゃなくてもいい。一日を振り返って「少しプラス」なら上出来。
  • 大きな成功を焦るより、小さな良いことをコツコツ積み重ねる。
  • 自分の幸せを一つに絞らず、色々な場所に「楽しい」の種をまいておく。
  • 辛いことがあっても、人生の長期的な成長を信じて、ただ歩みを止めない。

派手さはないけれど、地に足がついていて、誰にでも実践できる。
そんな「インデックス投資的な生き方」は、私たちを過度なプレッシャーから解放し、穏やかで持続可能な幸福へと導いてくれるはずです。

完璧じゃない、でも着実に。
そんな心地よい人生を、一緒に歩んでいきませんか。

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